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    弁護士が事件を受任する場合、委任契約書の作成が必要となります。

    委任契約書に署名捺印する前に、特に確認を必要とする事項は次のとおりです。

    ① 受任の範囲

    離婚事件の場合、受任の範囲は、(1)請求・申立てと(2)手続により特定されます。

    離婚事件を弁護士に依頼する際、(1)どの請求・申立てについて(2)どの手続を依頼するかよく確認しましょう。

    (1) 請求・申立て内容

    離婚事件に関する請求・申立ては次のように整理できます。

    ① 離婚請求

    ② 附帯処分の申立て

    ⅰ 子の監護に関する処分(親権者の指定、養育費、面会交流など)

    ⅱ 財産分与に関する処分

    ⅲ 年金分割に関する処分

    ③ 関連損害賠償請求

    ⅰ 離婚に伴う慰謝料請求

    ⅱ 離婚原因を構成する不法行為に基づく慰謝料請求

    (2) 手続

     離婚事件では、次の手続があります。

    ア 協議

    イ 調停

    ウ 訴訟(第一審・控訴審等)

    エ 審判(審判・抗告審等)

    上記の離婚請求等と合わせて婚姻費用分担請求をする場合があります。

    婚姻費用分担請求は、裁判上の手続においては、必ず離婚請求等と別枠での解決となります。

    ② 着手金額・報酬金額・日当等

    着手金、報酬金の金額はもちろん、前述のとおり費用、日当の約定がある場合はその内容をよく確認しましょう。

    なお、離婚事件の場合、報酬金は「定額+経済的利益の○%」と約定されることがあります。

    それは、経済的利益と評価しにくい場合、たとえば離婚が認められた場合や親権を取得できた場合には定額の成功報酬金が発生するものとし、経済的利益と評価しやすい場合、たとえば慰謝料や財産分与が認められた場合には経済的な利益の○%の成功報酬金が発生するものとするためです。

    但し、どのような場合に成功報酬金が発生するかは弁護士、委任契約により異なりうるため、依頼する弁護士によく確認しましょう。

    ③ 辞任、解任の場合の清算方法

    委任事務処理の途中で辞任、解任に至った場合、着手金の清算方法等が約定されているはずですので、内容をよくご確認ください。